📝Linuxについて
LinuxカーネルとOS
Linuxという語には2つの意味があります。一つはWindowsやMacOSなどと同じOS(Linuxディストリビューション)としてのLinuxを指し、もう一つはOSの中心的なプログラムであるカーネルを指します。一般のエンドユーザーがLinuxと言った場合はOSを指す事が多いです。
Linuxカーネル
Linuxカーネルはリーナス・トーバルズ氏によって開発されたハードウェアとアプリケーションとを仲介制御するOSの中心的なプログラムです。GNU GPL2ライセンスにより無料で公開されておりプログラムを自由に実行・複製・再配布が可能な上にライセンスを引き継ぎソースコードを公開する条件で改変しての配布もできます。OSの重要部分がライセンス料も無く使用できハードウェアや目的に合わせた改変可能な事から開発者に人気が高く、スマートフォンのOS「Android」や一部の家電製品などにもLinuxカーネルが使用されています。
OSのLinux(Linuxディストリビューション)
OSのLinuxは、パソコンなど目的のハードウェアで使用できるようLinuxカーネルをソースコードから実行形式に変換(コンパイル)し、関連機器を制御するドライバー・アプリケーションや操作画面(ユーザーインターフェース)など組み合わせ一般流通できるようパッケージ化した物をLinuxディストリビューションと言います。
Linuxをはじめて利用しようとすると、Debian・Ubuntu・RedHatなど色々なLinuxの製品が出てきてどれを使ってよいか、どう違うのかで混乱すると思います。Windowsなど特定の企業が製作しているソフトウェアは98やXPと言ったバージョンとHomeやProと言ったエディションなど明確に分類されているのでどれが新しくてどれを自分が使うべきかわかりやすくなっていますが、Linuxは「誰でも無料に開発改造できるけど第三者に提供する場合は公表しなければならない」と言うルールがあるため、ハードウェアや使用目的などに合わせて複数の企業や個人が使いやすいようカスタマイズした製品が次々と発表しているのでされているので多くのLinuxの名前のある製品が存在します。自分がどれを使うべきかどれが合うのかは本文の最後の方におおまかな分類を書いておきます。
三大ディストリビューション
一般PC用やサーバー用のOSの開発は、カーネルが無料で入手できてもOSに必要なすべてを機能を揃えるのは容易では無いため開発規模の大きい「Debian」「RedHat」「Slackware」の3つのディストリビューションが主になり、それ以外は三大ディストリビューションを二次・三次改造したり特定の機能に絞って独自開発した物となります。三大ディストリビューションは有名ですが業務向けに作られているので初心者向けではありません。
Debian・・・コミュニティ中心で開発している無料のLinux、フリーソフトのみで構成されているのでライセンスへの配慮が最小限ですみ個人から法人まで幅広く利用できます。その反面フリーで無いデバイスドライバーなどが入ってないためドライバーのインストールなどでトラブルになるやすく中級者から上級者向けです。(私の環境では無線LANが使えないトラブルがありました)
RedHat・・・レッドハット社が開発している商用Linux、有料ソフトです(ソースコードは無料ですがバイナリ版は有料)、有償サポートがあるので企業などで利用されています。
Slackware・・・古くからあるコミュニティ中心で開発している無料のLinux、パッケージ管理システムが無くパッケージは自分でソースからビルドする必要がありますが依存関係から発生する不具合に手動対応できる事から安定性や堅牢性が高いです。超上級者向けです
主要なディストリビューション
Debian系
knoppix・・・LiveCD/DVD用のポータブル軽量OS、データ救出や修復用で使用されます
q4os・・・WindowsXP風デザインの軽量ディストリビューション
Slax・・・USBブート専用のポータブル設計
Ubuntu・・・カノニカル社の支援により開発されている無料のLinux、利用者が多く情報量も多い。Ver18.04ではDebianのGNOME版をベースに複雑な設定等を無くし初心者向けに作られています。
(Ubuntuフレーバー)・・・Ubuntuが公式に認めているディストリビューション。
kubuntu・・・デスクトップにKDEを採用
lubuntu・・・軽量化に注力、デスクトップにLXDEを採用しアプリなども軽量な物が選ばれています。
ubuntu_budgie・・・デスクトップにBudgieを採用
Ubuntu Kylin・・・中国向けのUbuntu
ubuntu_mate・・・デスクトップ環境にKDEを採用
Ubuntu Studio・・・マルチメディア編集用に割り込み処理を増やしリアルタイム処理が強化されています。
Xubuntu・・・軽量化を主に実用性にも注力、デスクトップにXfceを採用
(Ubuntu系)
bodhilinux・・・軽量ディストリビューション
-
Kona Linux
linuxBean
linuxmint・・・比較的初心者向けのOS、デスクトップはCinnamon・MATE・Xfce・KDEから選べます。
peppermint・・・軽量ディストリビューション、「IcsSSB」でWebアプリをローカルアプリ風に使える。
Puppy Linux・・・軽量ディストリビューション。Slackware系のもある。
Ubuntu 日本語Remix・・・日本向けにローカライズされたUbuntu。
RedHat系
Slackware系
独自系
デスクトップ環境
Windowsではデスクトップや操作系はひとつだけですが、Linuxは複数のデスクトップ環境(X Window System )が存在しディストリビューションに初期状態で組み込まれていなくても後からインストールする事もできます。(変更はシステムの安定に影響する場合があるので注意が必要です)
代表的なデスクトップ環境
デスクトップ | 雰囲気 | 軽さ(豪華) | デザイン |
GNOME | スマホ | 重い(普通) | モダン |
Xfce | Mac | 中(簡素) | 従来型 |
KDE | Windows | 重い(リッチ) | モダン |
Cinnamon | Windows | 重い(リッチ) | モダン |
MATE | Mac+Win | 中(普通) | 従来型 |
LXDE | Windows | 軽い(簡素) | 従来型 |
ディストリビューションの選び方
Linuxディストリビューションが多数存在する理由は「使用するハードウェアの性能差・使用者の好み(Windows風かMac風の操作系など)・使用目的」などそれぞれ違う方向性があるためです。したがって全員に良いと言える物はないので、次のような事を考えて自分に合ったディストリビューションを見つけるのが良いと思います。
使用目的・・・デスクトップ用なのかサーバー用なのか。サーバ用ならDebianやRedHat系になると思います。
周囲に合わせる・・・PCに詳しい友人や会社の同僚など既にLinuxを使っている人がいる場合は、その人と同じディストリビューションを選ぶとトラブル時に解決しやすいかと思います。
ハードウェア要件・・・古いパソコンのリサイクル(再利用)などでハードウェア条件が厳しい場合は軽量な物や古い物などから選択するしかありません。(システム要件の最低値と同程度だと動いても使える状態ではありませんので余裕がある物を選んでください)
LiveCD/DVDで使ってみる・・・一部のディストリビューションには既存のOSを入れ替えずにCDやDVDからLinuxを起動するLiveCD/DVDと言うお試し機能があるので実際使ってみると違いがわかります。
サポート期間・・・大手LinuxにはOSのサポート期間が告知されているので長い物を選んだ方が良いです。
コミュニティー主体と企業主体・・・企業が開発に関わっているディストリビューションは安定性が高く使い勝手良いのですが、企業の影響で次々と新機能搭載するため操作性が大きく変わります(Windowsのメジャーバージョンアップと同じ)。対してコミュニティー主体で開発しているディストリビューションはコミュニティーの総意で開発しているため新機能の搭載は遅れ気味ですが操作性の変化が少ないです。どちらが良いかはわかりませんが長期的に利用すると影響するので意識しておくと良いです。
オススメするLinux
Linux(サーバーや勉強など)として使うのかWindowsの代わりとして使うのかで選択肢が変わります。
趣味・仕事・Linuxお勉強なんでも
仕事やお勉強用
Windowsの代わりとして使う場合
Windowsの代わりとして使う場合(古いPC用)
(これらで重ければセキュリティー的に不安があるけど古いKona Linux 2.3 blackやPuppy Linuxなど使うしかない)